
鼎談「支援者支援がめざすこと」-02-
支援者支援と動作法、受容的交流
藤岡
ここから先が今日のテーマである支援者支援につながるところですが。
まず動作法とは、職員が利用者にいきなり触れるのではなく、まずは「今日の調子はどう?」などと声掛けして、雰囲気をつくりながら「じゃあ、触れますよ」と声掛けをして、それから肩や背中に触れていくものです。触れる時に、職員によってはすごく緊張感があったり、あるいは逆に少し強めに触れてしまったりで、その方の普段の声掛けや関わり方の様子が、その触れるという瞬間に出てくる。
つまり動作法では、支援者が少し疲れているとか、あるいは頑張っていて今日は調子がいい、などいろいろな波がある部分を、この「肩に触れる」という瞬間に、その支援者の状態と、それから相手の方の状態に合わせるところが見られる。実は動作法の支援の場を設定することそのものが、支援者支援のメンテナンスにつながっているのではないかと思っています。
当然、初めて動作法をされる方は、少し強めに触れたり、あるいは逆におっかなびっくりであったりですので、適切な、ちょうどいい心地良い場をつくる調整をしていくところから始めていきます。もともと嬉泉の職員の方々は、そういう意味での潜在力とか、あるいはトレーニングができているので、本当に適応が早く、初めての職員でも一〇分ぐらいされるといい感じの空間をおつくりになっていくことをすごく感じています。
先ほど石井理事長が受容的交流とのつながりのことをお話しになりましたが、本当にそこの部分の雰囲気づくりや、相手との関係性を感じ取りながら、今、利用者の方々が感じているところに合わせる形で、支援者が適切だと思うことを伝えたりしていく。そのことによって、時々刻々と変わる相手の方の変化に合わせながらその支援の場をつくる、という意味で、非常に動作法、あるいは支援者支援の観点での動作法と、受容的交流のつながりを感じています。
セッションの中で、利用者の方ができないところ、例えば、背中にぐっと力が入っているところを、少しずつ軸を立ててまっすぐにしていって自己調整へとつなげていくということですが、ここでも大事にしてきているのは、やっぱり背中が前かがみになったり、少し側わんが入ったりというのは、これはもう利用者の方々が生きてきた歴史の中で体が表現しているわけですから、これをまずそのものとして見ていく。つまり、背中が右に曲がっているからといって、すぐにまっすぐにすることはせず、そこにはその方の生きてきた歴史というものが身体の動きに表現されているので。まずはその歴史を、そして時々刻々と表現される現在の状態を見て、そこから「今日は背中のところをちょっとまっすぐにしていこうかな」「今日はちょっと肩が前に行っているところを、ちょっと後ろに一緒に動かしていこうか」と、考えながら、一緒に動作法をさせていただいてきました。やっぱり自分の生きづらさや、気がつかないところとかに少しずつ向き合うことは、少しずつでも結構大変なことなので、一緒に行っていきます。

